国税組織について
1 機構図について
皆様は国税組織と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。
本日は、一般の方には馴染みが薄いと思われる国税組織について簡単に説明いたします。
まずはこちらの機構図をご覧ください(国税庁HPより参照)。
国税組織のトップは国税庁であり、その下部組織として国税局(11局と1所)が設置され、さらに下部組織として524の税務署が設置されています。
令和5年度において職員数は55,985人となっており、構成比は以下のとおりです。
【国税庁レポート2023年より】
国税庁本庁
1,100人(構成比2.0%)
税務大学校
328人(同0.6%)
国税不服審判所
464人(同0.8%)
各国税局・沖縄国税事務所
15,790人(同28.2%)
税務署
38,303人(同68.4%)
2 国税庁の使命
国税庁には「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という使命があり、その使命を果たすために遂行すべき任務として、①内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、②酒類業の健全な発達、③税理士業務の適正な運営の確保を図ることとされています。
しかし、この使命や任務については、職場全体に浸透しているとは言い難く、使命と任務を逆に覚えている職員もいるほどです。
ただし、こうした状況に庁も危機感を覚えたのか、最近では使命と任務を含めた組織理念を定めています。
3 国税庁の各機構
次に国税庁の各機構の役割についてざっくり説明いたします。
○国税庁
税務行政を執行するための企画・立案や税法解釈の統一を行い、国税局・税務署を指導監督を行っています。
○税務大学校
新規採用者のほか、税務の第一線で働いている職員に対して、社会の変化に即応し得るよう、必要な研修を行っています。
○国税不服審判所
税務署長などが行った国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を行っています。
○国税局(札幌、仙台、関東信越、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、沖縄)
管内の税務署を指導監督するほか、税務相談などの納税者サービスの 提供、大規模・広域・困難事案の税務調査や滞納処分などを行っています。
○税務署
納税者との窓口であり、第一線で国税事務を担う行政機関です。
4 国税局内の機構
続いては、国税局内の主な機構について説明いたします。
○課税部
税務署の課税部門の指導・監督、大口・悪質などの調査困難な納税者に対する調査などを行っています。
○徴収部
税務署の管理運営部門、徴収部門の指導・監督、大口滞納者の滞納処分などを行っています。
○調査部
大規模法人などに対する調査を行っています。
○査察部
悪質な脱税者に対して、刑事責任を追及するための調査を行っています。
5 税務署内の機構
最後に税務署内の機構について説明いたします。
○総務課
署内の総合調整や庶務、広報事務を行っており、管理運営・徴収部門が設置されていない小規模の場合は、管理運営事務及び徴収事務も行っています。
○管理運営部門
申告書等の受付、納税証明書の発行、現金の領収、税に関する一般的な相談などの窓口対応のほか、申告書等の入力、国税債権の管理、還付手続などを行っています。
○徴収部門
納付の相談や滞納処分などを行っています。
○個人課税部門
所得税や個人事業者の消費税などについての相談・調査を行っています。
○資産課税部門
相続税、贈与税、土地建物や株式などを譲渡したときの所得税などについての相談・調査を行っています。
また、相続税などの計算の基準となる路線価などを決める作業も行っています。
○法人課税部門
法人税、地方法人税、法人の消費税及び源泉所得税のほか、印紙税及び揮発油税などの相談・調査を行っています。
6 おわりに
本日は、国税組織についてざっくりと説明をいたしました。
次回は、国税局・税務署の税務調査の違いにフォーカスして記事を書きたいと思います。
今後もよろしくお願いいたします。
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