税務調査でスマホ・LINEは見られる?|確認範囲と対応を元国税調査官が解説
著者:市田佳祐(税理士・元国税調査官)
「税務調査では私物のスマホまで見せる必要がありますか」
「仕事のやり取りをしているLINEはどこまで確認されるのでしょうか」
「調査官にスマホを渡して、中を自由に操作されるのでしょうか」
売上の予約、注文、入金連絡、仕入れや外注の打合せまでスマホで完結する事業が増えています。そのため、税務調査で帳簿や通帳だけでなく、LINE、メール、決済アプリなどの確認を求められる場面もあります。ただし、スマホの中にある私的な写真や会話まで無制限に確認されるという意味ではありません。
私は大阪国税局で個人課税や富裕層に対する調査事務に従事した後、税理士として税務調査への対応を専門にしています。この記事では、税務調査でスマホやLINEの確認を求められる範囲と、画面提示、印刷、データ提出などの対応方法を、調査する側の視点も交えて整理します。
結論:事業に関係するスマホ内のデータは確認対象になり得る
税務調査では、申告内容を確認するために必要と認められる帳簿書類その他の物件が質問検査の対象になります。国税庁の通達は、その対象を法定帳簿だけに限定せず、調査目的を達成するために必要と認められる帳簿書類その他の物件まで含むとしています。そのため、売上や経費の事実を確認する必要があれば、スマホ内のLINE、メール、決済履歴なども確認対象になり得ます。
一方で、「私物スマホだから一切確認されない」「調査官が端末内を自由に見てよい」という整理はいずれも適切ではありません。確認の必要性と事業との関連を整理し、該当する画面を表示する、印刷する、必要なデータをコピーして提出するといった方法で対応することが重要です。
国税庁の令和8年7月改訂「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」では、電磁的記録の「提示」は画面上で調査担当者が内容を確認し得る状態にすること、「提出」は印刷物の交付やデータのコピー、電子的な送付などの方法があると説明されています。スマホ本体をそのまま預けることだけが確認方法ではありません。
この記事でわかること
- スマホやLINEが確認対象になり得る理由
- 私物スマホと会社支給スマホの考え方
- LINE、メール、決済アプリで確認されやすい情報
- 画面提示、印刷、データ提出の実務的な対応方法
- 拒否、削除、虚偽説明で注意すべき点
第1章 事業に関係するデータは確認対象になり得る
(1)端末ではなく「中にある情報」と事業との関連が重要
税務調査で問題になるのは、スマホという機器そのものより、その中に申告内容を確認するための情報があるかどうかです。たとえば、LINEで顧客から予約を受け、金額を決め、現金で代金を受け取っている場合、そのやり取りは売上の発生日や金額を確認する資料になり得ます。
メールで決めた外注費や決済アプリの入出金履歴も、帳簿と実際の取引を照合する材料になります。紙か電子データかという違いだけで、確認対象から外れるわけではありません。
(2)「私用端末」という名義だけでは決まらない
国税庁FAQでは、法人の税務調査で代表者個人名義の預金通帳について提示・提出を求める場合があることを例示しています。個人所有の物件でも、事業との関連性が疑われる場合には、調査のために確認が必要になることがあるという考え方です。
スマホでも考え方は同じです。私物端末であっても仕事のLINEやメール、事業用口座のアプリなどを使用していれば、その部分について確認を求められる可能性があります。逆に、事業と無関係な家族との会話、写真、趣味の履歴まで当然に確認対象になるわけではありません。
第2章 調査官が重点的に確認するポイント
調査官がスマホやLINEを確認するときは、端末の中身を広く見ること自体が目的ではありません。帳簿、申告書、通帳などと実際の取引が一致しているかを確認するために、必要な情報を探します。
(1)帳簿に計上されていない売上がないか
予約や注文をLINEで受ける事業では、メッセージに日時、商品やサービス、金額、支払方法が残ることがあります。帳簿の売上と照合した際に件数や金額が合わなければ、なぜ差があるのか確認されます。キャンセル、返金、未収など正当な理由がある場合は、その経緯を説明できる資料が重要です。
(2)入金日と売上計上の関係
銀行振込、現金、QR決済など支払方法が複数ある場合、LINEやメールの予約記録と通帳、決済履歴を照合することがあります。売上の計上時期は契約や業務内容によって判断するため、単に入金日だけを見るのではなく、役務提供日や商品の引渡日なども含めて確認する必要があります。
通帳の入出金がどのように確認されるかは、税務調査で通帳はどこまで見られるかで詳しく解説しています。
(3)経費の支払先、内容、事業との関係
経費については、支払った事実だけでなく、事業のための支出かどうかも確認されます。LINEで外注内容や報酬額を決めている、メールで請求内容を確認している、スマホ決済で支払っているといった場合、その記録が経費の説明資料になります。
反対に、帳簿には外注費と記載されているのに、メッセージでは個人的な立替えや貸付けの話になっているなど、説明とデータが一致しない場合は追加確認につながります。
(4)取引先とのやり取りと周辺資料が一致するか
税務調査では、自分が提出した資料だけで結論が決まるとは限りません。取引先の帳簿や請求書、銀行取引などの周辺資料と照合されることがあります。必要に応じて取引先側を確認する反面調査が行われることもあります。
反面調査の考え方と対応は、税務調査の反面調査とはも参考にしてください。
(5)これまでの説明とデータの内容が矛盾していないか
私が大阪国税局で調査事務に従事していた経験から言えば、スマホの確認が問題になるのは、帳簿だけでは取引の実態が分からない場面や、納税者の説明と客観的資料に差がある場面です。調査官は「スマホだから見る」のではなく、未解明の事実を確認する手段のひとつとして電子データを見ています。
そのため、早い段階で帳簿、通帳、請求書、メッセージ履歴の関係を整理しておくことが有効です。説明を後から変えるより、分からないことは分からないと区別し、確認できる資料に基づいて説明する方が事実関係を整理しやすくなります。
第3章 スマホ・LINEが確認対象となる法的な考え方
(1)質問検査権の対象は法定帳簿だけではない
国税通則法第74条の2などは、税務職員が必要があるときに質問し、事業に関する帳簿書類その他の物件を検査し、提示や提出を求めることができる旨を定めています。国税庁の質問検査権関係通達1-5は、「帳簿書類その他の物件」には法令上備付けや保存が必要な帳簿書類のほか、調査目的を達成するために必要と認められる帳簿書類その他の物件が含まれるとしています。
このため、LINEやメールが法律上の帳簿そのものでなくても、取引の事実を確認するために必要であれば提示を求められる余地があります。ただし、必要性は調査の目的との関係で考えるもので、スマホ内の情報が一律に対象になるという規定ではありません。
(2)質問検査は社会通念上相当な範囲で行われる
国税庁は、質問検査等について、公益上の必要性と私益との衡量において社会通念上相当な範囲内で、納税者の理解と協力を得て行うものと説明しています。また、提示・提出を求める際には、その必要性を説明し、理解と協力を得ることを前提としています。
したがって、確認を求められたときは、何の税目・年分・取引を確認するための依頼なのかを整理することが重要です。対象が広すぎると感じた場合も、その場で全面拒否するのではなく、必要な取引に対応する期間や相手方、データの種類を確認し、提示方法を話し合うのが実務的です。
(3)私物だから対象外、というルールはない
国税庁FAQは、調査対象法人の代表者個人名義の預金通帳であっても、法人の事業に関連する取引があると疑われる場合には提示・提出を求めることがあるとしています。私物スマホについても、所有者が個人であることだけを理由に事業関連データまで確認対象外になるとは考えにくいでしょう。
一方、私生活に関する情報まで必要性なく広げて確認することを意味するものでもありません。事業用と私用が混在している端末ほど、どのアプリ、どの期間、どの相手とのやり取りが事業に関係するかを事前に整理しておく意味があります。
第4章 私物スマホと会社支給スマホはどう扱われるか
(1)私物スマホでは事業関連部分を切り分ける
個人事業主や小規模法人では、私物スマホで顧客対応をしていることが珍しくありません。この場合、LINEの仕事用トーク、事業用メール、決済アプリなど、申告内容との関係があるデータを先に把握します。私用データと同じ端末に入っていること自体で、事業関連データの説明が不要になるわけではありません。
確認を求められた場合は、相手、期間、取引を確認し、納税者側で該当画面を表示します。必要に応じて印刷やデータ出力へ切り替える方法もあります。
(2)会社支給スマホでも確認範囲は調査目的との関係で考える
会社支給スマホは業務利用が中心であるため、会社の取引に関する情報が保存されている可能性は高くなります。ただし、会社支給というだけで端末内の情報が無制限に対象になるわけではありません。調査対象となる税目、年分、取引との関連を確認する考え方は私物スマホと共通します。
従業員が使用している端末の場合は、会社の業務データの保存場所や管理権限も確認しておく必要があります。個人情報や取引先情報が含まれることもあるため、何をどの方法で提示するかを整理して対応します。
第5章 LINE・メール・決済アプリで確認される内容
(1)LINE:予約、注文、金額、支払方法
LINEでは、顧客からの予約や注文、料金の合意、キャンセル、返金などが確認材料になります。特に、帳簿には売上がない日でも予約完了のやり取りが残っている場合、実際に取引が行われたかどうかを説明する必要が生じることがあります。
仕事と私用の会話が同じトークに混在する場合もあります。その場合は、取引に関係する部分を中心に提示しつつ、前後の文脈がなければ意味が分からないときは必要な範囲を追加して示すという整理が現実的です。
(2)メール:契約条件、請求、発注、納品の確認
メールは、取引条件や請求額、発注日、納品日などを確認する資料になります。帳簿に記載された売上や外注費について、契約書や請求書だけでは時期や内容が分からない場合、メールのやり取りが補足資料になることがあります。
(3)決済アプリ:売上入金、送金、返金の履歴
QR決済や電子マネーの履歴には、事業用の入金や支払が残ることがあります。現金売上とキャッシュレス売上を別々に管理している場合や、個人アカウントを事業にも使っている場合は、帳簿との対応関係を説明できるようにしておくことが重要です。
履歴に私的な支払が含まれていても、それだけで問題になるわけではありません。事業用と私用を区別し、帳簿に計上したものについて根拠を示せる状態にしておきます。
第6章 画面提示・印刷・データ提出はどう行われるか
(1)画面を表示して確認してもらう
国税庁FAQは、電磁的記録の「提示」について、調査担当者が内容を確認し得る状態にすることと説明しています。スマホの場合は、納税者側で対象のLINEトーク、メール、決済履歴などを開き、画面を見せる方法が考えられます。
国税庁FAQが、調査官による私物スマホ全体の自由な操作を前提としているわけではありません。端末の操作を求められた場合は、何を確認したいのかを聞き、納税者側で該当画面を表示する方法や、必要データを別途提出する方法を提案することが実務上の選択肢になります。
(2)印刷して提出する
同FAQでは、電磁的記録を印刷したものを渡す方法が「提出」の例として示されています。LINEやメールについて、対象となる期間や取引が限定されている場合は、必要な部分を印刷して提出することで対応できる場面があります。
ただし、一部の画面だけでは相手方、日時、前後関係が分からず、確認資料として不足することもあります。スクリーンショットも補助資料にはなりますが、それだけで確認が足りるかは内容によります。どの情報が必要なのかを確認して準備します。
(3)データをコピーして提出する
国税庁FAQは、調査担当者が持参した記録媒体へコピーする方法や、e-Tax、オンラインストレージ、電子メールなどを利用して送付する方法も例示しています。大量のメールや取引データを確認する場合は、端末画面を順番に見せるより、対象データを抽出して提出する方が効率的なことがあります。
(4)スマホ本体を預ける場合は「留置き」の考え方に注意
国税庁FAQでは、帳簿書類等を預かる「留置き」を行う場合、必要性を説明したうえで納税者の承諾を得るとしています。承諾なく強制的に留め置くことはないと説明されています。スマホ本体を一定期間預けるよう求められた場合は、なぜ本体の預かりが必要なのか、コピーや印刷では足りないのかを確認した方がよいでしょう。
第7章 確認を求められたときの対応手順
(1)何を確認したいのかを具体化する
最初に、対象となる税目、年分、取引、アプリ、相手方などを確認します。「スマホを見せてください」という依頼だけでは範囲が広いため、売上の予約履歴なのか、外注先とのやり取りなのか、決済履歴なのかを具体化します。
(2)事業関連データと私用データを整理する
対象が分かったら、該当期間のトーク、メール、決済履歴を確認します。私用データが同じ画面に出る場合は、必要な部分を表示できるよう準備します。調査開始後に慌てて削除するのではなく、現状を保ったまま整理することが重要です。
(3)提示方法を選ぶ
その場で画面を見せるのか、印刷するのか、データを書き出すのかを決めます。調査官が確認したい内容を満たしつつ、私用情報や第三者情報を不用意に広げない方法を検討します。
(4)何を提示・提出したかを記録する
後で説明が食い違わないよう、提示したアプリ、期間、相手方、提出したファイル名などをメモしておくと整理しやすくなります。コピーを提出した場合は、同じデータを手元にも保存しておくと、その後の質問に対応しやすくなります。
(5)事前通知を受けた段階で資料を確認する
税務調査の事前通知を受けた後は、帳簿や申告書だけでなく、事業に使っているスマホアプリやクラウドサービスも確認しておくとよいでしょう。特に売上や経費の説明にスマホ上の記録が必要になりそうな場合は、調査当日までに整理しておくことで説明が安定します。
調査前の準備については、税務調査の事前通知とはもあわせてご覧ください。
第8章 拒否・削除・虚偽説明で問題になり得ること
(1)「任意調査だから何でも断れる」とは考えない
国税庁FAQでは、正当な理由なく帳簿書類等の提示・提出を拒んだ場合や、虚偽の記載をした帳簿書類等を提示・提出した場合、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が科されることがあると説明しています。同時に、国税当局は罰則を背景に強権的に権限を行使するのではなく、必要性を説明し、理解と協力の下で承諾を得て行うとしています。正当な理由の有無は個別の事案に応じて判断されます。
したがって、確認範囲に疑問があるときも、理由を確認せずに全面的に拒む方法は勧められません。調査目的との関連を確認し、対象データの提示方法を具体的に相談することが重要です。
(2)LINEやメールを削除していた場合
LINEやメールを削除しているという事実だけで、直ちに重加算税が課されるわけではありません。日常的な端末整理、保存期間、機種変更など、削除にはさまざまな理由があります。残っていない場合は、削除時期や理由を事実に沿って説明し、通帳、請求書、相手方資料、バックアップなど他の資料で取引を確認できないか検討します。
重加算税は、申告時に課税標準等の計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装して申告したことなどが要件となります。国税庁の事務運営指針は、取引に関する書類の破棄・隠匿や、帳簿書類の改ざん・虚偽記載などを例示しています。LINE等の削除の評価は事実関係によりますが、調査を見越して記録を意図的に消す、架空の画面や記録を作る、事実と異なる説明を重ねるといった対応は避けるべきです。
重加算税の要件は、税務調査で重加算税が問題になるケースで詳しく整理しています。
(3)口頭説明も後の判断材料になる
スマホのデータが残っていない場合、調査官から取引の経緯を詳しく質問されることがあります。事実を整理しないまま推測で答えると、後で客観資料と合わなくなることがあります。分からない点は確認してから回答するなど、事実と記憶を区別することが重要です。
質問内容によっては、説明が質問応答記録書に記録されることがあります。記載内容を確認するときの注意点は、質問応答記録書とはで解説しています。
第9章 税理士へ早めに相談した方がよいケース
スマホ確認の依頼があったからといって、すべてのケースで税理士への相談が必要というわけではありません。ただし、次のような場合は、提示する範囲や説明内容を事前に整理した方がよいでしょう。
- LINEやメールに申告していない売上の可能性がある記録が残っている
- 事業用と私用の取引が同じアカウントに混在している
- 複数年分のメッセージや決済履歴を確認したいと言われている
- 削除済みのデータがあり、代替資料をどう説明するか判断しにくい
- 端末全体の操作や本体の預かりを求められ、対応方法に迷っている
- 重加算税や質問応答記録書につながる説明を求められている
税理士が立ち会うことで、調査官が確認したい事実を整理し、必要なデータの範囲や提示方法を協議しやすくなります。ただし、税理士が立ち会えば法令上必要な確認を拒めるという意味ではありません。調査の目的と納税者側の事情の双方を踏まえ、適切な方法を検討します。
よくある質問
Q1. 調査官にスマホ本体を渡す必要がありますか
スマホ本体をそのまま渡すことだけが確認方法ではありません。国税庁FAQは、電磁的記録の提示として画面で確認できる状態にすること、提出として印刷物の交付やデータのコピー、電子的な送付などを例示しています。事業に関係するデータの確認が必要な場合は、対象と目的を確認したうえで、画面提示や印刷など適切な方法を検討します。
Q2. 調査官がスマホを操作することはありますか
国税庁FAQは、調査官が私物スマホ全体を自由に操作することを前提としていません。操作を求められた場合は、何を確認したいのかを確認し、納税者側で該当画面を表示する、必要なデータを書き出すといった方法を提案できます。具体的な確認方法は、調査内容と必要性に応じて調整します。
Q3. 私用のLINEまで見せる必要がありますか
事業と無関係な私的な会話まで当然に確認対象になるわけではありません。ただし、私物スマホで事業上のやり取りをしている場合は、私物であることだけを理由に事業関連部分まで対象外にはできません。仕事と私用が同じトークに混在する場合は、調査目的に必要な範囲を整理して提示します。
Q4. スクリーンショットや印刷で対応できますか
印刷は、国税庁FAQが電磁的記録の提出方法として例示しています。スクリーンショットも補助資料として使える場面がありますが、相手方、日時、前後の文脈などが不足すると追加確認が必要になることがあります。何を確認するための資料かを確認し、必要な情報が分かる形で準備します。
Q5. LINEやメールを削除していた場合はどうなりますか
削除していたことだけで直ちに重加算税などの対象になるわけではありません。重加算税は申告時の隠蔽・仮装が要件となるため、削除の時期、目的、申告内容などを含めて判断されます。残っていない場合は理由を事実に沿って説明し、通帳、請求書、相手方資料、バックアップなどで取引を確認します。架空の記録作成や事実と異なる説明は避ける必要があります。
Q6. 税理士に立ち会ってもらえば確認範囲を調整できますか
税理士が立ち会うことで、調査官が確認したい事実を整理し、対象となる期間やデータ、提示方法を協議しやすくなります。ただし、税理士の立会いによって法令上必要な確認を一律に制限できるわけではありません。事業との関連や調査目的を踏まえ、必要な範囲を具体的に整理して対応します。
まとめ:スマホ確認は必要範囲と提示方法を整理して対応する
税務調査では、スマホやLINEが事業の売上、経費、取引時期などを確認する資料になり得ます。私物端末でも事業との関連があれば確認を求められることがありますが、端末内の私用情報まで無制限に確認されるという整理ではありません。
確認を求められたときは、対象となる取引、期間、アプリを具体化し、画面提示、印刷、データコピーなどから適切な方法を選びます。削除済みデータがある場合も事実に沿って説明し、残っている客観資料で補うことが重要です。対応に迷う場合は、調査初期の段階で税理士と資料の範囲を整理しておくと、その後の説明を一貫させやすくなります。
スマホやLINEの確認を含め、税務調査の連絡を受けて対応に迷っている方は、「大阪の税務調査に強い国税OB税理士」のページもあわせてご覧ください。
引用・参考文献
- 国税通則法第74条の2ほか(質問検査権)
- 国税庁「国税通則法第7章の2(国税の調査)等関係通達」第1章1-5、1-6
- 国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」(令和8年7月改訂)Q3、Q5、Q7、Q8、Q10
- 国税庁「申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
この記事を書いた人
市田佳祐(いちだ けいすけ)
税理士。市田税理士事務所代表(大阪市)。平成23年に大阪国税局入局後、令和5年6月まで国税職員として勤務し、同年8月に税理士登録(登録番号151935、近畿税理士会所属)。大阪国税局では資料調査課にて国際課税や富裕層に対する調査事務に従事したほか、総務課、個人課税課において税務行政に関する事務に従事。1級FP技能士。
共著に『質問応答記録書のポイントと税理士の対応策』(税務研究会出版局、2025年12月)、『税務弘報』2026年3月号(中央経済社)に寄稿。

